オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営するメディアのことをいいます。2010年ごろから注目を集め、現在では多くの企業が成功に繋げています。
ですが、オウンドメディアを成功させるには、どのように始めればいいのか、運用すればいいのか、そもそもどのようなメリットや効果があるのかを理解しておく必要があります。
この記事では、そもそもオウンドメディアとは何か、得られるメリットや始め方、成功に大切なことをご紹介します。
ぜひ参考にして下さい。
目次
オウンドメディアとは?特徴と運用する目的
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社で保有するメディアのことを指す言葉です。
一般的には、ブログや情報メディア、YouTubチャンネルなどを指して使われるケースが多いですが、広い意味ではパンフレットや広報誌などを指して使われる場合もあります。
ランディングページのように直接的な購買を促すというよりも、企業・サービスのブランディングや既存顧客との繋がりを深める目的で運用されることが多いです。
コントロール可能な自社メディアを通じて情報を消費者に伝えることができ、顧客とのコミュニケーションも深めることが可能となるのです。
そもそも、AIDMAの法則もしくはAISASの法則に代表されるように、顧客が購買に至るまでには、認知した後で情報収集する過程があります。オウンドメディアは顧客が適切に情報収集し、購買へ繋げることを助けてくれるのです。
また、長期的にはコスト面でもパフォーマンスがよくなります。持続的なコンテンツ提供により、ブランドの信頼性や認知度を向上させる効果が期待できます。
オウンドメディアとトリプルメディア
オウンドメディアは、「ペイドメディア」、「アーンドメディア」と合わせて企業のマーケティングの核となるトリプルメディアと言われます。
ペイドメディアは、リスティング広告のように広告の購入などによって情報を拡散するメディアで、積極的な認知度向上に効果的です。
アーンドメディアは、SNSのように顧客やファンによる口コミや共有によって獲得されるメディアを指します。内容を自社でコントロールできないのでリスクもありますが、第三者のメッセージになるのでユーザーから見た情報の信頼度は高く、コストもかかりません。
トリプルメディアをうまく活用することで、ターゲットとなる顧客に対して効果的なメッセージを伝える戦略として重要視されています。
オウンドメディアとコンテンツマーケティングとの違い
オウンドメディアと似た意味をもつ言葉として、コンテンツマーケティングがあります。
これらは、「施策」と「媒体」の違いです。
コンテンツマーケティングは、価値ある情報を提供することで顧客の関心や信頼を獲得し、最終的には購買行動へと導く「施策」です。
これに対し、オウンドマーケティングは価値ある情報を提供するための「媒体」を指します。
このように、コンテンツマーケティングは情報を提供しながら購買へ繋げる施策であり、オウンドメディアはその施策を実施するための媒体を指す、という違いがあります。
オウンドメディアを持つ3つのメリット
オウンドメディアを持つことは、現代ビジネスにおいて多くのメリットがあります。
- 顧客との接点の確保
- 売上の向上
- 広告費の削減
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
顧客との接点をもてる
オウンドメディアは、企業やブランドと顧客との間に接点を持つことができます。
公式サイトやブログなどを通じて自社の情報や考えを発信することで、顧客は製品の特徴や企業の運用方針、考えを理解することができます。
また、SNSアカウントやYouTubeチャンネルを活用することで、リアルタイムでの情報更新や顧客からのフィードバックへの迅速な対応も可能です。
このように顧客とコミュニケーションをとることで、ブランドの信頼性を向上させる要因となります。
直接的・間接的に売上に貢献できる
オウンドメディアの基本的な運用目的は、情報発信や顧客とのエンゲージメントの獲得が主ですが、結果的に売上向上に貢献することも期待されます。
具体的な商品紹介や使用例を伝えることで、顧客の購買意欲を促すことができるでしょう。
また、限定のセール情報やキャンペーンを発信することによって、サイトへのトラフィックや店舗への来店動機を高める効果もあります。
継続的に価値あるコンテンツを発信することで、リピート顧客の獲得や新規顧客の獲得にも繋がります。
広告費をかけずに情報発信や効果を得られる
オウンドメディアのもう一つの大きなメリットは、広告費の削減です。
一般的な広告では費用が発生しますが、オウンドメディアは自社で運営するため、コストの心配がありません。
もちろん運営や更新にはコストがかかることもありますが、継続的な投資を行うことで長期的な利益を得られます。
さらに、自らのメディアであるため、情報の発信タイミングや内容を自由に決定できるという利点もあります。
このように、オウンドメディアは経済的な効果と柔軟性の双方を享受できるツールと言えるでしょう。
オウンドメディアの始め方・運用のポイント6STEP
安定的にオウンドメディアを作成、成長させていくためには、以下のような手順で作成していく必要があります。
- サイトコンセプト・ペルソナを設定する
- どのような記事を作成するのか企画する
- 運用体制・ガイドラインを作成する
- サイトデザインを構築する
- コンテンツ(記事)を制作・公開する
- 公開した記事のデータ分析を行う
作成する記事は、ahrefsなどのツールを使って月間の検索ボリュームや検索ニーズを洗い出して企画していくと良いでしょう。
また、月間でどれくらいの記事を制作するのか、ライターはどのように確保するのか、トンマナやライティングルールなど、運用体制やガイドラインの作成も欠かせません。
そして、コンテンツの質を担保するために記事の編集やチェック体制も整える必要があります。
初めはトライアンドエラーを繰り返していく必要があります。ですが、安定的にコンテンツを生み出せるようになれば、運用コストを抑えながら利益を生み出せるようになります。
オウンドメディアを成功させるポイント
オウンドメディアは、コンテンツの品質や量が高まっていくまでに少なからず時間が必要です。そのため、すぐに成果を求めるのではなく中長期的な視点で考えることが大切です。
また、オウンドメディアの主な流入経路は検索エンジンです。そのため、SEOの知識を身につけることも大切です。
コンテンツは公開後も自社でコンテンツを編集・修正できます。どうすれば検索上位に表示できるか、アクションに繋がるかを分析しながら、自社でもノウハウを貯めていきましょう。
何よりも大切なことは、継続することです。オウンドメディアを成功させるには定期的にコンテンツを発信していくことが重要なファクターとなります。まずは運用体制を整え、適切に規模を大きくしていきましょう。
まとめ
オウンドメディアは立ち上げからすぐに期待通りの効果を得られるわけではありません。
また、将来的にはコストを抑えながら大きな効果を得られる一方で、初期段階で初期費用や運用コストがかさみやすくなります。
ですが、適切に運用することで優れた集客効果があり、自社サービスの収益拡大に役立ちます。近年では多くの企業がオウンドメディアを活用して企業の成長に繋げています。
他社の成功事例も参考にしながら、PDCAを回してオウンドメディアを成功させていきましょう。