近年のSEO対策において、特に注目されているのが「E-E-A-T(イーイーエーティー)」という概念です。
これはGoogleがWebサイトの品質を評価するための重要な指標で、コンテンツ作成やサイト運営において避けては通れないものです。
以前は「E-A-T」という3つの要素で知られていましたが、2023年12月16日にGoogleから「Experience(経験)」が追加され、「E-E-A-T」へと進化しました。
そこで、E-E-A-Tの概念やE-E-A-Tを高めるための具体的な取り組み、そしてSEO対策との関連性についても説明します。
E-E-A-Tを理解し適切に施策を取り入れることで、コンテンツの評価はより高まっていくことでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
E-E-A-Tとは?要素ごとの考え方と意識すべきこと
E-E-A-Tは、Googleによるウェブサイトの品質を評価する新しい基準です。以下の4つの要素で成り立ちます。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
もともとはE-A-Tとして知られていましたが、2022年12月15日の検索品質評価ガイドラインの更新により、「Experience(経験)」が加わり、E-E-A-Tとなりました。
googleの検索結果においてこれらの要素が重視されており、実際にGoogleの品質評価ガイドラインでも明記されています。
そのため、SEOではE-E-A-Tの概念を理解し、コンテンツの品質向上と評価レベルの向上を同時に進めることが重要となっています。
それでは、それぞれがどのような意味を持つのかを解説します。
経験(Experience)
E-E-A-Tの「経験(Experience)」では、コンテンツ作成者の実体験が重要視されます。この基準はE-A-Tに新たに加わったもので、コンテンツが経験に基づいているかを評価します。
例えば、商品レビューの記事で、実際に商品を使用した経験を持つ人は、より詳細で質の高い内容を提供できます。これは、「経験」の項目での評価だけでなく、ユーザーにとっても有益な情報となります。
E-E-A-Tを考慮したコンテンツ制作では、実体験に基づくリアルな情報提供が求められるのです。
専門性(Expertise)
E-E-A-Tの「専門性(Expertise)」は、テーマの統一性や深い知識、経験を持つことを指します。
例えばキャンプをテーマにする場合、他の記事を見ながら調べて書かれた記事とキャンプ愛好家が書いた記事では、後者の方が専門性が高くなります。
これは、キャンプ愛好家が持つ豊富な知識や視点がコンテンツの質を高めるためです。また、専門性が高いことはこの後に紹介する権威性にも繋がります。
専門性を高めるためには、特定の分野に焦点を当ててコンテンツやサイトを構築することが大切です。また、専門性の高い優れた論文が他の論文に引用されるように、優れたコンテンツは他サイトからも引用されることが多くなります。その意味で、被リンクが豊富であることも専門性を高めるために重要です。
どちらの方がより評価されるかはご自身で検討する必要があります。ただ、近年は非常に多くのサイトが存在するため、様々な視点で物事を考えることが大切です。
権威性(Authoritativeness)
「権威性(Authoritativeness)」では、コンテンツ制作者がその分野において信頼できる人物なのかが評価されます。「何が書かれてるか」では「誰が書いているか」の評価ということです。
例えば、本や論文を出版している経歴を持つ方が作成したコンテンツと、著者が特定できず運営者の記述もないコンテンツとでは、前者の方が権威性は高くなります。
ただし、そのような存在が全てのコンテンツを作成するのは非常に困難です。そのため、近年では監修という形で参画しているケースも増えています。また、この権威性は特にYMYLにおいて重要です。
権威性を高めるためには、著者の情報を明記し、かつ自社コンテンツ外でも著者について言及されていることが大切です。つまり、サイテーションも意識することが大切です。
その分野における第一人者、もしくはそれに近い存在がコンテンツを作成し、それを明記することで、コンテンツの評価は高まっていきます。
信頼性(Trust)
「信頼性(Trustworthiness)」は、コンテンツの正確性や安全性、信頼性に関する要素を指します。発信者の信頼性や情報の正確性、鮮度などによって評価されます。
近年では当たり前になっているSSL接続ですが、非SSL接続(HTTP通信)のページは安全性が低いと見なされます。
また、情報の正確性も重要です。例えば料金プランやコンテンツ内容は、時間の経過とともに変化する場合があります。それに対応できず、いつまでも古い情報のままだと評価は下がっていきます。
そのため、常に最新の情報をキャッチアップし、コンテンツを更新することで信頼性を保つことができます。
E-E-A-Tが重要な理由とは?SEOに与える影響の大きさ
Googleが公表していますが、E-E-A-Tは、検索結果のランキングを決める直接的な要素ではありません。ですが、E-E-A-Tに優れたコンテンツは良いSEO効果を期待できると言及しています。
特にYMYL分野において、情報発信者の権威性や信頼性は、第一に担保されなければいけない要素です。
これらの要素が疎かにされてしまうと質の低いコンテンツが溢れてしまい、過去に起きたウェルク(WELQ)騒動を繰り返してしまうことになるのです。
また、E-E-A-Tはなぜ重要なのか、E-E-A-Tを高めるためには具体的にどのような取り組みをすべきなのかを考えることは、Googleが何を重視しているのかを考えることと同義です。
本質的な考え方を理解できれば、アップデートで揺れることも少なくなり、より安定的にコンテンツを維持することも可能になっていきます。その意味でも、E-E-A-Tについて考え、意識してコンテンツを作成していくことが大切です。
E-E-A-Tを高める方法とは?具体的な3つの取り組み
ここまではE-E-A-Tの概念や考え方についてご紹介しましたが、最後にE-E-A-Tを高めるために必要な取り組みについてご紹介します。
従来のSEO対策で当たり前になっている取り組みもありますが、Googleが特に重視する要素であったりします。そのため、変わらず意識して取り組んでいくことが必要になります。
コンテンツやサイトの作成者を明記する
E-E-A-Tを高めるためには、コンテンツやサイトの作成者を明確に示すことが非常に重要です。この情報は検索エンジンに限らず、ページを閲覧するユーザーに対しても信頼性を高める効果があります。
具体的には、執筆者のプロフィールやポートフォリオ、関連資格や実績を示し、必要であれば関連するSNSへのリンクを掲載します。これにより、Googleやユーザー双方にそのコンテンツの専門性を伝えることできます。
作成者の名前がSNSや他ブログなどで言及・引用されることも大切です。これをサイテーションと呼びます。また、サイト名で検索されることも評価を高める要素です。そのため、コンテンツ作成者だけではなくサイト名もSNSなどで使用されるように取り組みましょう。
記事を最新情報に更新する
E-E-A-Tを高めるためには、ウェブサイトや記事の情報を常に最新の状態に保つことが重要です。
例えば、飲食店や小売業界のように変化が激しい分野では、たとえ1週間前の情報であっても古くなっている可能性があります。新宿でランチができるお店を探す場合に、おすすめされていた店が閉店していたら、ユーザーはそのサイトを信頼しなくなるでしょう。
ウェブサイトを運営する際は、ただコンテンツを増やすだけでなく、その内容が最新かつユーザーに役立つものであるかを定期的に確認し、更新することが大切です。
これらにより、コンテンツはユーザーにとって信頼できる情報源となり、E-E-A-Tの評価を向上させることができるでしょう。常に最新情報をキャッチアップし、サイトを更新することでユーザーの利益を守り、信頼性を高めていきましょう。
他メディアやオフィシャルサイトに紹介される
他メディアからの被リンクは、E-E-A-Tにおいて重要な取り組みの一つです。以前から被リンクの重要性は謳われていましたが、その理由はE-E-A-Tの向上にあるのです。
特に大手メディアや公的機関からの取材や掲載は、信頼性の向上に繋がります。例えばニュースや雑誌に掲載されたり、店舗やサービスを展開しているオフィシャルサイトから紹介されることは、信頼性の向上に繋がるのです。
また、自分の体験や経験に基づいた高品質なコンテンツを発信することは、ブロガーや他メディアから引用されることにもつながります。
これらの方法を通じて、E-E-A-Tの向上を図ることは、ウェブサイトの信頼性と権威性を高める上で非常に重要です。適切な方法でE-E-A-Tを高めることで、サイトの評価は着実に向上していくでしょう。
まとめ
E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとった、Webサイトの重要な評価基準です。
ですが、その根本にあるのはユーザーファーストの考え方であり、大切なことはGoogleを見るのではなくユーザーを見ることです。ユーザーが信頼するWebサイト、コンテンツとは何か?を考え続けることが大切なのです。
そして、新しいコンテンツの作成だけでなく、既存のコンテンツを見直し、必要に応じて加筆修正を行うことも重要です。
皆様のサイトでも、E-E-A-Tの評価基準を意識した運営を行っていきましょう。